2015年11月30日月曜日

すくう 月と花 

nさんが当日のブーケの写真を送ってくださいましたので、
日本刺繍をされている方からのことばといっしょに。
rさんはおうちに帰って生けかえられたそうで、その写真も。

月の音がきこえそうな冬の夜に。







 +++

花鋏の音って美しいですね。
初めて気がつきました。

穏やかな朗読の合間に、花鋏の音が響いたとき、ハッとして背筋が伸びました。
まだ刺繍のお教室に通っていたときに、布に針を刺す音を聞いた先生が「今日は調子が良さそうね、いい音がしてる」と言っていたのを思い出しました。
音も技術なんですね。
体調もすぐれなくて、モヤモヤしていた色々なことが散り散りになっていきました。

お庭のお手伝いをしに行きながら私の中で、月のイメージがカリンの実と重なりました。カリンの実を一晩水に浸けて中の虫を外に出す作業が、月のデトックスと一致したのか、ワークショップのとき塚田さんの花生けのあと、紀佳さんがカリンの実をテーブルに置いたとき「やっぱりカリンだ!」と思いました。


冷える夜空が
満ちた水辺であるならば
月を一晩浸して
溺れた虫が
晴天に消える
わたしの中にいる虫も
一匹残らずとは言わないから
這い出て
翌日の晴天に
消えてゆけ

+++++++++
早くお庭に行きたくなりました。
ありがとうございます。


2015年11月27日金曜日

靴作りの様子をイラストレータのニコピィさんが描いてくれました

わたしは、当日の様子をなかなか報告できないままですが、ニコピィさんがマンガタッチで描いてくださったものをどうぞ!

ニコピィさんありがとう。

コチラです→

2015年11月26日木曜日

月に捧げる花と色 花をたてて、人は癒される



 ともみさんの写真より






nさんの感想+++++


紀佳さんの朗読のなか、塚田さんが花を生けるその空間が、いちばんこころに残りました。
うつくしくて、なにか神聖なものを感じて。
この空間にいられることがうれしくて、とてもぜいたくな時間でした。

花所望という試みも、おもしろかったです。
みんなからひとつずつ選ばれた草花が、塚田さんの手によってそれぞれ存在を生かされ、大きなひとつの作品にまとまった時、はっとするうつくしさに思わず息をのみました。

また「すくう」の本のすてきなこと!
ひとつひとつ読んで、お話を聴けたこともよかったです。
塚田さんからすくいとられたお花も、紀佳さんからすくいとられた言の葉も。

花を掬う、救う、透う…
花を摘み束ねながら、それらのことばと、きのうの月を想っていました。

あたらしい仕事のことで、こころがとげとげしく、くしゃくしゃに小さく丸まっているところに、ふと見上げると月があって、ふっとこころを掬い上げられた気がしたこと。
それを思い出しながら、花をすくっていると、くしゃくしゃになったこころを少しずつ広げるように感じたこと。
わたしが掬ってるつもりが、掬われ救われているように感じました。

まさに、塚田さんが言われていた「花を立てることで人を直す」というお話は、こういうことなのだと、後から気づきました。

今日は、桜の葉のうつくしい色にうっとりし、染めでそこから出てきた月の色におどろき、さまざまな草花の香りにつつまれてほんとうにしあわせな時間でした。

++++

花とコトの葉。
花は葉が進化したものなら、いつかコトの花になる??

照れくさいところもありますが、わたしたちもいい時間でしたので、nさんの私信を了承を得て掲載いたします

今日、代々木公園の黄色い銀杏葉につつまれて、ときには「団子よりも花」で生きたいとほんとうに願うなあ、と思い、でもけっきょく花も団子も同じなんだと思って、一人にやりとしました。

なぜかいそがしいこの日々を、どうにかたてなおしてくれるのも花ですね。
野草を料理することと、野の花をいけることって同じですね。

++++++++++

そしてつづいて
花束をもちかえった方のパートナーさんが、その花束を見て
(この花束の画像お持ちのかた送ってください)
月にむけた詩と、花にむけた詩を書いてくれました。
(お庭に何度もきてくれている男性です
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


月が出ていた。
もうすぐ満月だね
っていったら
あれは十三夜
って教えてくれた
満月と三日月しか知らないボクには
あの月は満月前の不完全な月。
でも
満月直前の月に
名前をつけて
暮らしてる人がいた。
月だって
キミはいま
十三夜だねっていわれれば
すこし、かけているいまでも
役目があるみたいで
ほこらしいかもしれない





六ヶ月前まで隆盛を極めたドクダミは
ネズミさま御用達の亀の子束子になって
日陰にひょろりとたっている
しょぎょうむじょう
しょぎょうむじょう
六ヶ月後にもういちど
隆盛を極めるべく
土の中では準備が進んでいる
えいえんふへん
えいえんふへん
いま、寂びたあじわいの束子は
ネズミがコップ洗いにつかってくれる日を
まっている
たぶん
クリスマスパーティーあたり


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



冬の月は、三日月も十日月も、そしてこの満月も、寒さにますます強く光ります。
眠っていて、なんだか胸騒ぎがする、と思ったら、月の光が刺しています、今夜も。

2015年11月23日月曜日

2016年、巡る庭の会の予定 旧暦の五節供と季節の草木仕事

お待たせしました。
来年の巡る庭、学校園の予定です。花生けや花束づくりと、それに因んだ手仕事(食や染めなど)の会で、座学も充実しています。

一年の五節供を通じて、四季のリズムが体感できるのは、ありがたいなあと、ますます感じています。
わたしたちもまだまだ道の途中、ごいっしょに、古くて新しい感覚を開いていきませんか?

●2015年 12/19日土曜日 冬至のリースと柑橘ママレード

13:00〜18:00 詳細は近日中にお知らせしますが、大枠は去年と同様です。

(毎年とても人気です、ご興味のある方はお早めにどうぞ。 
学校園 塚田 <hikarionsitu@yahoo.co.jp>まで)


2016年
●2/6日土曜日 七種コンニャク

●4/9日土曜日 桃の節供

●4/30日土曜日 バラの会(バラのブーケとバラ水)

●6/11日土曜日 菖蒲の節供
(この前後に青梅や黄熟梅)

●8/6日土曜日 七夕の節供(夕刻になるかもしれません)
(この前後に藍の生葉染め)

●10/8日土曜日 菊の節供

●11/12日土曜日 月に花

●12/17日土曜日 冬至の会


藍染めと七夕以外は、午後1時くらいから5時くらいまで。費用はだいたい3000〜4000円となります。(庭仕事体験は無料です)


2015年11月21日土曜日

足元からの生態学 一区切り


去年から構想を練って、この一年ワークショップとしてやってきた「足元からの生態学」、先日のサイドゴアプーツで、ひとくぎりとなりました。
反省点がたくさんあって、いや、続いていく気持ちかな、抱負がたくさんあります。

終わってから、小林智行さんと夕飯を食べつつ話していたら、次の展望が見えてきました。
また決まってはいませんが、希望としては、来年早々から、月一のペースで自分で足型をとって、足袋型の靴をつくっていこうかと。
少人数で時間を充分にとって、人類と足のことをフリーディスカッションも含めて感じていきたい。
(どのくらいの方がこういうことに興味があるのか知りたいので、ご興味のある方はご一報くださいね。)

もともとは裸足で歩いていた人類です。

私自身も、自分を手仕事研究家などと名乗っていますが、手仕事偏重には問題がありますね。足を使わなくなって、手仕事がなくなっているのですから。足仕事が動力で失われていったのです。車に乗って歩かないとかね。
洗濯しているとよく足を使うのですが、これなんて手洗いというよりも足洗い。
たいへんな仕事だし、足を使うことへの偏見もあったと思う。

こんな話もしつつ、靴をつくりたい。

最後に小林さんが「靴がつくれることと、人の足をみられることは違う」といっていたのが心に残っています。

落ち葉の季節、落ち葉の上を裸足で歩くのおすすめです。
わたしはこのごろ毎朝、落ち葉踏みです。不思議に足があったまります。

夏には朝露踏みをしていたのですが、秋もいいんですね。

2015年11月14日土曜日

「桜紅葉染めと晩秋の花生け、、、旧暦十日夜に」 更新しました



巡る庭ワークショップのご案内です。

桜の落ち葉が当日にいい感じに集められそうなので、
タイトルをわかりやすくして再告知です。


「桜紅葉染めと晩秋の花生け、、、旧暦十日夜に」→



11月23日月曜日(祝)
13:00〜17:00くらいまで
世田谷ものづくり学校2階スタジオにて

参加費:3500円
持ち物:花バサミ、染め布(スカーフや絹の靴下くらいの量、毛糸玉ひとつくらい)、花と染め布の持ち帰り用袋




赤や黄色に染まった桜の落ち葉。春のお花見から半年すぎて、桜紅葉の季節です。
その葉で染めると、桜の色がよみがえります。
落ち葉での染め物はあまりないのですが、この桜だけは特別のようです。
できれば絹やウールを、なければ木綿や麻の薄い布を染めしょう。


そして花生けは、2008年に塚田と石田で編んだ手製本、「すくう」を題材に月と花を体感します。
詩の朗読や月のまつわる話を聞いたあと、巡る庭の秋の草花をつんで、さえわたる月に捧げます。

お申し込みは石田まで lamuda@ya2.so-net.ne.jp

2007年に月に向かってひとり花を生ける塚田さんの姿に、花生けの心を感じました。

以下塚田さんからのコメントです。


勤労感謝の日はもともと新嘗祭。十日夜のお月見の少し後。花を立てて月に向かい、桜の紅葉を布に染めます。かつて11月の月に向かってビルの屋上にあった温室で毎晩花を立てることをしていました。その時の花それぞれに「学校園」をずっとご一緒している石田さんが言葉を添えてくれたのが私家版で作った『すくう』です。今回は「すくう」誕生の話や、それをするためのコンセプトスケッチみたいなものなどもお持ちして、トークをしたあと、アイアイディーの庭で花を摘んで束ねてもらいますが、そのうちの1、2本を塚田が所望し、石田さんの詩の朗読の中でそれらかを使って花をいけます。「花所望」と呼ばれた芸です。
染めもあって時間がそんなにないのでさらっとやる感じです 。初めてやりますので、どうなるでしょう。



2015年11月5日木曜日

週末の庭仕事 と 平日 更新しました



10日火曜日の午後には、石田がいきます。
雨の予報なので、とりやめます。
13日金曜日14日土曜日は終日IID にてワークショップをしていますので、
お庭にご興味のある方は2階スタジオをのぞいて、石田まで声をかけてください。


+++
先日、カフェ横にグリーンピース類を、
アプローチのいっちばん入り口にチューップ球根を植えましたので、
来られる方はお水やりお願いいたします。

さっと行けるときにお水やりします。


2015年11月2日月曜日

大切なものほど




手放そう、
大切なものほど手放そう、と
教えてくれたんだっけ、と、
あの子が送ってくれたニラの写真で思い出す秋の夜更け。

大切にたいせつに育みつづけたタネを
ある日、ぱっと手放すんだ

手放したのか、とびだしたのか

どっちでもあるんだろう

はなせば、はなれれば、
芽が出る。

いさぎよい、さみしい、きびしいオキテによって
うれしい明日がある

あっからかんとしたぬけがら
透明な音

こんな季節がくるなんて。