2014年5月15日木曜日

酸っぱい香、甘い香、爽やかな香、誘う香

裏門のノイバラ


カフェ横のレモン
梅雨の前の乾いた風が運ぶ香たち
このごろは東京にも亜熱帯植物のジャスミンがたくさん茂っていて、
今頃の季節の香になりました。
キンモクセイ、ジンチョウゲとならぶ、街角に季節を運ぶ花。

きっと人それぞれ、花の香りで、かつての秋のはじまり、春のはじまり、夏のはじまりを思い起こしている。

たとえばわたしにとってジンチョウゲは、
少しあったかくなって玄関をおおっびらにあけて掃除をしている母の姿。
大きな素焼きの植木鉢に丹精していたその花が、水洗いされた玄関前にあって
そこに「ただいまあ」といって跳ねるように帰りついた、なんとも気持ちいい、早帰りの午後。
小学生から中学生くらいまで何度も重ねた思い出。

ジャスミンは一人暮らしの学生のころの一度きりの、
自分で買った白いプラスチックの鉢植え。
ジャスミン茶になるのかなあ、なんて思って、縁側において眺めて、お茶ができたらあの人と飲もう、なんて想像したけど、けっきょく散らしてしまった花びら。
あまりに濃厚すぎたから、か。

バラの香りはどうでしょう。
群生すると風にのってくる香りを知るけど
庭で育てたり花束のバラに、
わたしたちは口づけするように近づいて、
やっぱりそんなふうに目をとじて、うっとりする。


珍しい(!)塚田と石田の並び写真。
塚田氏は蕊についての考察中。いつかお話をきけるでしょう。

写真は有村真理さんと島田麻衣さん。

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