2013年3月27日水曜日

街の雨にうたれて



小雨の中、旧山手通りを自転車でかけました。

身支度をしながら、われながら、ものずきだなあ、と自嘲気味な気分にもなったけど、
少々の雨に打たれるのが好きなんだ、と、いそいそと長靴をはく。
ちっとも苦痛でない。
走り出せば、むしろ快感。

こんなふうに天からふってくるものと生でやりあえるのだから。

走りながら、ギリシア神話のひとつの場面が浮かぶ。

ゼウスが金の雨になってダフネにふりそそぐ。

街の中で、天と密通しているなんて、誰も知らない。
まさに秘め事?

塚田さんの「温室」があったビルの屋上を脇目にみて、
月に向かって活けた花を見にいったことをまざまざと思う
あの男は月と通じていたのだ。
空っぽになった屋上、温室は月にいっちゃった。

それぞれがそれぞれのやりかたで天と交わる。

街の小雨は、田舎の雨よりも、芳醇だったりする。

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