ひとすじの水が、四角い透明な平面を、波紋を描いてひろがり、落ちる。
線、面、粒。
くぎられた矩形を、はてしない円形に。
地球上のここそこをうつした草花
繊細、可憐、圧倒
どこでもない水の花園。
十六夜の月の夜に
演じられた能は「死」をテーマにしたものばかり。
死ぬというのは、その人やその人にまつわる夢もきえるということだ、と能楽師の安田登さんがいった。
お盆が十三夜、十四夜、十五夜ととりおこなわれてきた意味。
月にうつる面影。
高い笛の音が死者をよぶ。
昨夜よりも今夜、月は欠けて、
そしてまた再生する。
亡くなった人の、その夢の声をきいたのはわたしばかりではなかった。
photo by noriko tejima |
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